モラル・ライセンシングが判断能力を狂わせる

シェアする

もるもる君
もるもる君
さっき頑張って運動したから、このアイス食べちゃお~♪
わらび君
わらび君
もるもる君・・・それはモラル・ライセンシングの罠にはまっているよ!
もるもる君
もるもる君
モ・・・モラル・ライセンシング~!?

あなたは、もるもる君のように「〇〇を頑張ったから、△△してもいいよね」と思ったことはありませんか?

もし、あるならそれはあなたがモラル・ライセンシングの罠にはまっていることを意味しています。

今回はそんなモラル・ライセンシングについて紹介します。

モラル・ライセンシングとは

モラル・ライセンシングとは簡単に言うと「良いことをしたら、悪いことをしたくなる。」という法則です。

例えばある研究で、あからさまな性差別的意見や人種差別的な意見に強く反対したグループの方が、そこまで強く反対しなかったグループに比べて、逆に性差別意識を持ちやすいことが明らかになっています。

ある性差別的意見に反対したのならば、本来はその他の性差別的意見にも反対し続けなければいけないのですが、強く反対したことで自分が道徳的に良い人間だと思い、気分が良くなったせいで、その後の判断能力が鈍ってしまったのです。

また他の実験では、寄付を求められた時、以前寄付をしたことを思い出した人たちは思い出さなかった人と比べて寄付金額が6割も低かったことが分かっています。

これも、「前にあれだけ寄付したから、今回はこれだけでいいや。」というモラル・ライセンシングの罠にはまった結果だと言えます。

やった気分になっただけでも・・・

モラル・ライセンシングの厄介な点は、実際には行動を起こしていなくても、”やった気”になってしまえば同じ罠にはまってしまう点です。

例えばある実験では、被験者がどのボランティア活動に参加しようかと考えただけで、被験者は自分へのごほうびを買いたくなってしまったという結果が分かっています。

また、被験者がチャリティーに寄付しようと考えただけで、自分のためにお金を使いたくなった、という実験結果も出ています。

恐ろしいですね。

実際には自分は何の良い行いもしていないのに、想像しただけで良い気分になり、悪い行いだけをやってしまうのですから。

やることリストは逆効果

何か目標を達成したいときに、やることリストを作る人は多いと思います。

やることリストは目標達成に近づくためにやるべきことをリストアップしたものなので、とても実用的に見えますが、ここにもモラル・ライセンシング罠が潜んでいるのです。

どういうことかというと、完璧なやることリストを作れば作るほど、作り終えた時の達成感が大きくて、あたかも目標に近づいたように勘違いし、それだけで満足してしまうのです。

あなたも経験がありませんか?

小学生の頃、夏休みの計画を一日かけて作ったのに、その計画を守ることはなかった経験が。

ようするにこれも、「一生懸命やることリストを作った自分偉い!じゃあこれで終わりでいいや(←目標に向かって何一つ行動はしていないのに)」という思考が働いた結果です。

目標を達成するために作ったはずなのに何一つ行動を起こさずに終わるなんて、これならいっそのこと作らない方がマシです。

作った後の達成感が大きければ大きいほど、この罠にはまってしまうので、やることリストをどうしても作りたいときは、ササッと走り書き程度にしておいた方が良いでしょう。

モラル・ライセンシングの罠にはまらないために

メニューにのっているサラダを見ただけで、最もカロリーの高い料理を頼んでしまう。

”脂肪ゼロ”と書いてある食品を、大量に食べてしまう。

エコな活動を一つやっているだけで、他に悪い行いをしてしまう。

これ以外にもモラル・ライセンシングの罠はあげきれないほどあります。

これらの罠に共通しているのは「良いことをした(した気分になった)ら、悪いことをしたくなる」ということです。

目標とは遠ざかる悪いことをしてしまわないためにも、私たちは日常的に「これはモラル・ライセンシングの罠にはまっていないかな?」と注意深く問いかける必要があります。

でないと、そもそも気づかない可能性もあるからです。

ただ、もっと効果的な方法は「そもそも物事を良い・悪いで判断しないようにすること」

繰り返しになりますが、モラル・ライセンシングは「良いことをする→悪いことをしたくなる」という法則です。

この良い・悪いはその人が感じている道徳的な基準です。

つまり、「私はダイエットのために運動を頑張った偉い!」や「私はこんなにエコ活動に力をいれているから偉い!」という考えが働いています。

しかし実際には、運動は健康維持のためになるべくした方が良いものであって、これをやったから偉くなるわけでもありません。むしろやって当たり前の行為です。

同じように、エコ活動も、地球に住んでいる人間として意識した方が良いものであって、運動と同じようにある意味当たり前の行為。

これを勝手に「〇〇をした私は偉い、すごい」と思ってしまうから、その後は適当な行動を取ってしまうのです。

だから最初から「良いことをした」と思わない。

むしろ「これはやって当たり前のことだ」と認識すれば、いい気分になることもないのでモラル・ライセンシングの罠にもはまりにくくなります。

目標は達成することに意味があります。

その目標に達成するまでの自分の頑張りを見て「私ってこんなに頑張ってスゴイ!」と思って、モラル・ライセンシングの罠にはまり、目標から遠ざかる行為をしていたら意味がありません。

「こんなに頑張ってる私すごい」ではなく「どうして自分はこれをやっているのか?」と常に自分に問いかければ、「偉い・スゴイ」という感情はなくなるはずです。

まとめ

モラル・ライセンシングは良い気分になっただけでも起きてしまうのが怖いですね。

これらを踏まえると、目標に向かってドライに淡々と行動し続けられる人が、一番早く目標を達成しやすいのではないかと思いました。

「頑張るぞ!」と意気込めば意気込むほど「こんなに頑張っている自分すごい!」という考えになりがちですからね。

何かを達成したいときは淡々と!を意識してみましょう。

それでは~。


今回紹介した内容は、こちらの本を参考にしました。
モラル・ライセンシングについてもっと詳しく知りたい方は是非読んでみてください。

もるもる君
もるもる君
意気込みすぎずに淡々・・・淡々と・・・スピ~スピ~
わらび君
わらび君
それは淡々としてるんじゃなくて寝てるんでしょ!ゴゴゴ!!
ツイッターをフォローする
スポンサーリンク

シェアする

フォローする