1冊目 本訳『7つの習慣』第七回:第四の習慣 お互いの利益を考える

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【本訳とは】
読書をすることによってもたらされる恩恵は素晴らしいもの。こんなに素晴らしい恩恵を享受できるのが読書好きに限られるなんて、読書好きの私にとっても悲しいことです。外国語の知識がなくても、翻訳されていればその内容を理解できる。そんな翻訳のように、読書が苦手な人や本を読む時間がなかなか取れない人のために、名著といわれる本の内容を出来るだけ分かりやすく伝える活動を”本を訳する(=分かりやすく解説する)”という言葉から”本訳(ほんやく)”と名付けることにしました。

前回までの内容


1冊目 本訳『7つの習慣』第一回:7つの習慣とは

1冊目 本訳『7つの習慣』第二回:相互依存とP/PCバランス

1冊目 本訳『7つの習慣』第三回:第一の習慣 自分に責任を持つ

1冊目 本訳『7つの習慣』第四回:第二の習慣 目的地をはっきりさせる

1冊目 本訳『7つの習慣』第五回:第三の習慣 重要なことに集中する

1冊目 本訳『7つの習慣』第六回:相互依存について


本訳『7つの習慣』第七回では、第四の習慣についてまとめます。

自分だけでなく相手の利益も求めること

第一、第二、第三の習慣を身につけることで自立し、相互依存状態の領域に足を踏み入れると、私たちは必然的に人間関係においてリーダーシップの役割を引き受けることになります。

何故なら、他の人に影響を及ぼす立場に立つからです。

そういう意味で第四の習慣とは、人間関係における効果的なリーダーシップの習慣と言えます。

これは簡単に言うと”Win-Winを考える”ということです。

Win-Winとは、自分も勝ち、相手も勝つ。それぞれが欲しい結果を得るという考え方です。

これは人間関係におけるパラダイムの一つで他にも

・Win-Lose(自分が勝って、相手は負ける)
・Lose-Win(自分が負けて、相手が勝つ)
・Lose-Lose(自分も負け、相手も負ける)
・Win(自分の勝ちだけを考える)

があります。

いろいろなパラダイムがありますが、ほとんどの状況ではWin-Winを考えることが妥当であることが多いです。

しかし、いつも必ずWin-Winを目指せるとは限りません。

そこで最も人間関係のパラダイムの中で選ぶべき考え方は”Win-WinまたはNo deal(Win-Winの結果に辿り着くことがないのなら取引しない)”です。

何故なら、相互依存状態においてWin-Win以外は悪影響を及ぼすことになるからです。

Win-Winを目指すために必要な人格の要素

相互依存状態において最も理想的であるWin-Winという考え方。

これは、「人格」で始まり、それから「関係」に進み、その中から「合意」が作られる・・・という流れになっています。

第七回7つの習慣1

つまりWin-Winを目指すために必要な「人格」の要素がそもそも備わっていなければ、何も始まらないということです。

この必要な要素は三つあります。

・誠実

一つ目は誠実さです。

これは第一、第二、第三の習慣を身につけ実行することで、高め、維持することができます。

・成熟

二つ目は成熟。これは勇気と思いやりのバランスのことです。

成熟した人とは、自分の気持ちや信念を表現する勇気と、相手の気持ちや信念を尊重する思いやりのバランスがとれている人のことを言います。

Win-Winを目指すには、優しさだけあってもダメで、勇気も必要なのです。

例えば、勇気だけある人はWin-Loseの結果になりがち。

逆に、思いやりだけがある人はLose-Winの結果になりがちです。

自分の信念を伝える勇気と、相手の信念を尊重する思いやりがあってはじめてWin-Winという最も理想的な合意にたどりつくことができるのです。

・豊かさマインド

最後は豊かさマインド。これは、”すべての人を満足させることが可能である”という考え方(パラダイム)です。

ほとんどの人はこれと逆の、欠乏マインドというパラダイムを持っています。

欠乏マインドとは、人生を一個のパイと見て、他の人が大きな一切れを取ると自分の取り分が減ると考えることです。

この欠乏マインドというパラダイムを持っている人は、他人の成功を喜ぶことができず、むしろ他人の不幸を望んでいます。

そして自分を常に比較競争の場に置き、自分の自尊心を守るため、自分より弱い人たちで自分の周りを固めようとしています。

欠乏マインドのパラダイムを持っていてWin-Winを目指すことは不可能です。

Win-Winに必要なパラダイムは豊かさマインド。

何故なら「公的成功」とは人間関係づくりに成功することであり、これは関わっているすべての人が相互利益を獲得することだからです。


第七回7つの習慣2

誠実・成熟・豊かさマインド。

これら三つの要素を備えた人格があってはじめて、関係が生まれ、その中でWin-Winという合意を得ることができます。

~第八回に続く~

まとめ

・第四の習慣とは、人間関係における効果的なリーダーシップの習慣でありWin-Winを考えるという習慣

・Win-Winとは、自分も勝ち、相手も勝つ。それぞれが欲しい結果を得るという考え方

・Win-Winを目指すために必要な人格の要素は、誠実・成熟・豊かさマインド

・豊かさマインドとは、”すべての人を満足させることが可能である”という考え方(パラダイム)

相互依存を目指すには、勇気だけあっても、思いやりだけあっても不十分。

勇気も思いやりもバランスよく持つことが大事です。

このバランスは第一、第二、第三の習慣で主体的な人になり、原則に沿って生活することで自然に身につけることができます。

つまり第一、第二、第三の習慣は第四、第五、第六の習慣で公的成功という結果を得るための、準備の習慣であったのです。

次回の第八回では第五の習慣について紹介します。

それでは~。

スティーブン・コヴィーの世界的名著『7つの習慣』を出来るだけ簡単に分かりやすく本訳していきます。第八回は五つ目の習慣である第五の習慣についてです。
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