1冊目 本訳『7つの習慣』第四回:第二の習慣 目的地をはっきりさせる

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【本訳とは】
読書をすることによってもたらされる恩恵は素晴らしいもの。こんなに素晴らしい恩恵を享受できるのが読書好きに限られるなんて、読書好きの私にとっても悲しいことです。外国語の知識がなくても、翻訳されていればその内容を理解できる。そんな翻訳のように、読書が苦手な人や本を読む時間がなかなか取れない人のために、名著といわれる本の内容を出来るだけ分かりやすく伝える活動を”本を訳する(=分かりやすく解説する)”という言葉から”本訳(ほんやく)”と名付けることにしました。

前回までの内容


1冊目 本訳『7つの習慣』第一回:7つの習慣とは

1冊目 本訳『7つの習慣』第二回:相互依存とP/PCバランス

1冊目 本訳『7つの習慣』第三回:第一の習慣 自分に責任を持つ


本訳『7つの習慣』第四回では、第二の習慣についてまとめます。

目的地を明らかにして活動の罠を防ぐ

第一の習慣は”自分の人生は自分でコントロールできる”ということに気付く習慣でした。

そして今回紹介する第二の習慣は”目的をもって実際に始める”という習慣です。

ただ始めるだけではいけません。

”目的を持つ”=”目的地をはっきりさせる”ことが重要なのです。

何故なら、私たちは目的地を知ることで現在地もよく分かるようになり、いつも正しい方向に向かって歩み続けることができるからです。

第4回7つの習慣1

これは”活動の罠”を防ぐことにつながります。

活動の罠とは、日々の忙しさに追われ、自分自身を失い、自分が最終的に目的としているものとは関係のない活動をやっているのにも関わらず、そのことに気付かないことです。

本人は頑張っているのですが、目的とは意味のないことを一生懸命にやっているのに過ぎないため、ずっと目的地にたどり着くことはありません。

第4回7つの習慣2

この活動の罠を防ぐために、自分が最終的にどんな状態になりたいのか、何を手に入れたいのかをはっきりさせておく必要があるのです。

まずは手段ではなく、方向をはっきりさせること

この第二の習慣である”目的を持って始める”という習慣は「すべてのものは二度つくられる」という原則に基づいています。

まず、ものを作ろうとするときには知的な第一の創造がなされ、その後に物的な第二の創造がなされます。

例えば、私たちは家を建てたいと思ったら、まずはどんな家にしたいのか頭の中で理想とする家を想像します。これが知的な第一の創造です。

第4回7つの習慣3

そして理想とする家の像が完全に出来上がったら、設計図を書き、建設作業に取り掛かります。これが物的な第二の創造です。

第4回7つの習慣4

第一の習慣は”自分は人生の創造者である”(自分はプログラマーである)と気付くことでしたが、第二の習慣は”創造を行う”(プログラムを書く)ということなのです。

第4回7つの習慣5
第4回7つの習慣6

この”創造を行う”という第二の習慣は”リーダーシップを取る”習慣と言い換えることもできます。

リーダーシップとは、望む結果を定義し、何を達成したいのかという質問に答えるもの。つまり正しい方向に導いてくれる存在です。

第4回7つの習慣7

この正しい方向に導いてくれる存在であるリーダーがいない限り、どんなに頑張っても同じ場所をグルグルと回ってしまい、いつまでも目的地にたどり着くことはできません。

先程の活動の罠にはまってしまいます。

しかし多くの人々は自分自身の価値観や人生の目的を明確にすることなく、能率的な自己管理や目的達成方法という手段にばかり気を使っています。

これはリーダーシップではなくマネジメントに囚われている状態です。

マネジメントも大事ですが、リーダーシップのないマネジメントは活動の罠を招きます。

まずは目的をはっきりさせること。これが最初にすべきことなのです。

ミッション・ステートメントを書いてみよう

目的を持って始めるために最も簡単で大きな効果をもたらす方法のひとつは、ミッション・ステートメント(個人的な憲法・信条)を書くことです。

これを書くことで、自分はどうなりたいのか、何をしたいのか、自分の行動の基礎となる価値観や原則を明らかにすることができます。

実際は私たちは既にこのミッション・ステートメントのようなものを持っています。

けれどもそれは周りの人のパラダイムに基づいて作られた、非効率かつ誤っているものです。

ミッション・ステートメントは自分と向き合い、自分で創ることが必要です。

ほとんどの人々は他の人々である。彼らの思想は誰かの意見、彼らの人生は模倣、そして彼らの情熱は引用である。

オスカー・ワイルド(アイルランド出身の詩人/1854~1900年)

ミッション・ステートメントは、人間独特の性質である自覚、良心、想像力の力を使って創ることができます。

まず自覚の力によって、自分の持っているパラダイムを見つめ、原則に合っているか確認します。

そして良心の力によって、独自の才能や貢献の可能性を発見する。

最後に想像力の力で、自分の望む最終的な姿を描き、自分の努力に方向性と目的を与え、自分の憲法を明文化することができます。

この”自分の望む最終的な姿を描く”には自分の葬式を想像するのが効果的。

自分がどんな人物として人々の心に残りたいか、どんな満足感を持って死を迎えたいか想像することが、最終的に自分が何を目指したいのかに気付く手助けになります。

個人的な憲法・信条を明文化したミッション・ステートメントを書くには、”自分が生活の中心になにを置くのか”ということが重要になります。

生活の中心におくものとして一般的なものは、

・夫、妻中心
・家族中心
・お金中心
・仕事中心
・所有物中心
・遊び中心
・友達、敵中心
・宗教組織中心
・自己中心

これらがほとんどの人が生活の中心としておいているものです。

しかし、これは全部間違った中心なのです。

何故かと言うと、これらは全て人やモノに振り回されてしまうから。

生活の中心におくものの正解は”原則中心”です。

原則はコロコロと変わる人やモノと違って不変のものです。

だから、原則を中心におけば、軸がブレることはありません。

常に安定しているので心も穏やかで、問題が起きても一歩引いて考える余裕があります。

もし状況によって、安定性が崩れるようであるのならば、それは原則以外のものを中心に置いているということです。

自分とじっくり向き合って、自分が今何を生活の中心においているのか見つけ出し、原則以外のものだったなら、原則に置き換え、原則に合ったミッション・ステートメントを書いていきましょう。

第4回7つの習慣8

正しいミッション・ステートメントがあれば、それがリーダーの役割を担ってくれ、私たちを正しい方向に導いてくれます。

自分の夢に向かって確信を持って歩み、自分が思い描く人生を送ろうと努めるならば、きっと思いがけない成功にめぐり合うだろう。

ソロー(アメリカの作家/1817~1862年)

~第五回に続く~

まとめ

・目的地を明らかにして活動の罠を防ぐ

・リーダーシップのないマネジメントは活動の罠を招く

・生活の中心に置くべきものは原則

・原則中心なら常に安定した状態を保つことができる

このように第二の習慣は、目的をはっきりさせる習慣です。

正しい方向に進み続けるのに一番大切なこと、それは目的地をはっきりさせておくこと。

自分の人生は自分でコントロールすることができると知ったら、次はどんな自分になりたいか、どんな人生を歩みたいかをはっきりさせることです。

次回の第五回では、第三の習慣について紹介します。

それでは~。

スティーブン・コヴィーの世界的名著『7つの習慣』を出来るだけ簡単に分かりやすく本訳していきます。第五回は三つ目の習慣である第三の習慣についてです。
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