走りに行こうかな~と思って窓から外を見てみると、なんだか雨が降りそうな雰囲気。
天気予報でも調べてみたら、やっぱり雨が降るらしい。
しかも大雨。
でもその日は、何故か無性に走りたくて仕方なかったので、ランニングウェアに着替えて家を出ました。
すると走り始めて20分くらいしてダーーーッッと雨が一気に降ってきました。
雨の轟音で、あらゆる音がかき消され、雨という静寂が私を包みます。
周りには自分以外誰もいません。
雨具も着ていなかった私はあっという間にずぶ濡れになりました。
被っていた帽子のツバからは滝のように雨が流れていきます。
雨と自分だけの世界になって、私が小学生だった頃の気持ちを思い出しました。
私は小さな頃から雨が大好きで、小学生の頃は学校からの帰り道雨が降っているとよく、傘をたたんで全身に雨をあびるのを楽しんでいました。
友達も傘をたたんで走り回ったり、傘をひっくり返して雨をためたり、長靴の中を雨でいっぱいにしたりして(なんのための長靴なんだ・・・)、雨を100%楽しんでいました。
大きな声を出しても雨の音にかき消され、雨以外のものから私たちは遮断されます。
視界にうつるのは、友達の楽しそうな笑顔と雨で霞むなじみの通学路だけ。
友達が笑顔で私に何か喋っているのが見えますが、雨の音で何と言っているのか分からないから、私もただ笑って返す。
結局、言葉は一言も交わせてないのに、なぜか”聞こえない会話”は続いていく。
あの時の私たちは全身で雨を楽しんでいました。
それなのに、大人になるにつれ私たちは雨を避けるようになりました。
まるで雨に触れると悪い病気にでもかかってしまうように、雨を嫌がりました。
もう自分の周りには雨を楽しむ友達もいませんでした。
あんなに雨と仲がよかったのに・・・。
そう昔を懐かしんでいた私でしたが、あの時の気持ちが雨の日に走ったことで感覚が蘇りました。
雨の中走ると、全く熱くなりません。
走っているのに、熱さを感じない。とても不思議な感覚です。
雨と自分が何年もの仲違いから、仲直りをしている気がして、私は走りながら心の中で「あはははは!」と笑っていました。
雨を楽しもうとした人だけが体感できる雨の気持ちよさと静寂。
小学生の頃には当たり前に体験していたこの感覚を久しぶりに味わうことができました。
雨の日のランニングもたまにはいいかもなぁ、と思った出来事でした。
冬になると寒さの問題で厳しそうですし・・・そう思うと雨の日に走るって、贅沢なランニングな気がします。
それでは~。
