↓ツイッターでわらび村4コマ漫画を配信中♪
今回は、映画「パッチ・アダムス・トゥルー・ストーリー」の印象に残った名場面・名言を振り返り、日常にも活かしたい心構えを考えていきます。
あらすじ
映画の内容を忘れてしまった・知らない人に簡単なあらすじを紹介しておきます。
主人公のハンター・アダムスは自殺願望を持っており、このままでは危ないと思い自分の意思で精神科病院に入院した。
その精神科病院には、4本の指を見せながら「指が何本に見えるか」と尋ねてくる頭のおかしな老人(「4本」と答えると「こいつも馬鹿か」と呆れられる。)や、リスの幻覚を見る者など様々な精神病の患者達がいた。
「指は何本に見える」の答えが知りたかったハンターは老人のもとにいく。
すると老人は「指ではなく、その奥にいる俺を見ろ」と言ってくる。
言われた通りに見てみると、それまで4本に見えていた指がぼやけて8本に見えた。
これが、老人の出すナゾナゾの正解だったのだ。
老人はハンターに「問題を直視するのではなく、違う視点で見てその奥にあるものに気付きなさい」とハンターに教える。
実はこの老人はある大企業を創業させた天才だったのだ。
老人の教えにハッとさせられたハンター。
ハンターは老人の部屋から出る前に、老人の飲んでいた紙コップに小さな穴が空いていることに気が付き、シールを貼って塞いだ。
その出来事から老人はハンターをパッチと呼んだ。
老人の教えとあだ名を気に入ったハンターは自分のことを「パッチ・アダムス」と名乗り、精神病の患者達を笑わせ始める。
すると患者たちのピリピリした雰囲気は一気に和やかになる。
リスの幻覚を見ていた相部屋のルディも妄想の銃でリスをやっつけてあげると、それから幻覚のリスに怯えることはなくなった。
これら一連の出来事に、パッチは既存の治療の仕方では患者は救えないと気づき自ら医者になることを目指す・・・。
以下ネタバレを含みます。
問題ではなく、その向こう側を見る
主人公ハンターを目覚めさせたきっかけでもある天才病の老人アーサーとの会話。
この会話の中には、私たちにも通じる重要な視点が隠されています。
アーサー「何本に見える? 」
アーサーはハンターの目の前で指を4本見せる
パッチ「 4本です。」
アーサー「違う違う。私を見るんだ。
君は問題にフォーカスしている。
問題にとらわれると、解決策が見つけられない。
問題にとらわれてはいけない!”私を”見るんだ! 何本に見える?
指の向こう側を見るんだ。何本に見える? 」
アーサーに焦点を合わせると、指がぼやけて8本に見える
パッチ「8本です。」
アーサー「8本!そうだ8本が正解だ!
そうだ!誰もが見ないものを見るんだ。
恐れや既成概念や怠惰とかで、人が見ようとしないものを見るんだ。
世界を新しい視点で見直せば、そこに真実がある。君にはそれができる。
君がもし、私のことを偏屈で頭のおかしい老人だと決めつけていたなら、 君はここへは来なかったはずだ。」
4本の指を見せられて「(見えている指の本数は)4本だ」と答える状態、それは問題だけに心が囚われている状態を表しています。
そしてアーサーは「それでは真実は見つけ出せない」と言います。
大事なのは、問題そのものに囚われるのではなく、問題の奥に何が隠されているのか、いわば真の問題に気付くことなのです。
出された4本の指ではなく、その奥に見えるアーサーに焦点を合わせるのは、世界を違う視点で見ることの大切さを表していたのです。
このナゾナゾのように、私たちは一度厄介な問題に直面すると、その問題だけについて考えがちです。
しかし、その問題だけに頭を悩ませていても見えてくる答えは偽の答えだけ「4本」しか見えません。
問題をいろんな角度で見てみたり、問題の奥には何があるのか見ようとすると、今まで気づかなかった意外な答えが発見でき、そこから道が開けるかもしれません。
ちなみに映画のハンターが導き出した答えは患者に必要なのは、医学的な知識や薬による治療ではなく”ユーモアによる治療”でした。
実際にパッチと触れ合った患者達は、笑って生き生きしていました。
もし、何か問題に直面してなかなか解決できないときは、「問題だけを見ていないか?」と自分に尋ねてみてください。
映画「パッチ・アダムス」の名言
死は敵ではありません。病気と戦う場での一番の敵は“無関心”です
医者達は患者を病から救おうと、患者ではなく”病”に注目していた。
そのため患者は名前ではなく番号で呼ばれていた。
しかし、パッチは患者を名前で呼び、患者との対話を大切にし患者に向き合うことに重点を置いていた。
死を遠ざけるのではなく、生を高めるのが医者の務め
ピエロの真似をしたり、ジョークを言って患者を笑わせたり、パッチと患者の間の雰囲気はとても和やかなものだった。
パッチは病を克服することよりも、今生きている”生”に着目し、患者達の人生を豊かなものにしていった。
医者になる前に人間に!
医者としての知識を鼻にかけ患者を番号で呼ぶ他の医師達に、医者ではなく一人の人間として患者と向き合うことが大切だとパッチは訴えた。
毎日患者の血と尿にまみれている看護婦は得がたい教師だ
看護婦に限らず、一番現場のことを分かっているのはトップではなく現場で働いている人たちなのだ。
その現場のことを一番よく知っている人たちのノウハウは、頭だけで得た知識とは比べ物にならない。
パッチはそのことを見抜いていた。
あなた方は卒業を阻み私から免許と白衣を奪える。でも学ぼうとする魂を抑え込むことはできません
数々の学校の規則を破ってきたパッチは、学校から卒業を阻止されようとする。
これは、パッチの卒業資格を破棄するかどうかの会議でパッチが発言した言葉。
パッチが行っていたことは、既存の医者達からは理解し難いものだったが、パッチ自身は大真面目であった。
パッチ・アダムスは実在する人物
「へ~面白い医者の話だな~、でも実際はそんなことあるわけ・・・」と思っている方もいるかもしれませんが、この映画は実話です。
映画パッチ・アダムスは実在する医師ハンター・キャンベル・アダムスという人物を元に作られています。
ハンター・アダムスは1945年にアメリカで生まれ、ホスピタルクラウンという病気を患う子供たちに遊びを通して精神面のケアをする組織を立ち上げています。
彼は学生時代から金儲け優先の医療のあり方に疑問を持ち、愛とユーモアを根底においた、人に優しい医療を目指しています。
映画だけでなく、実際にもピエロの格好をして子供達を笑わせたりしているんですよ。
ここで映画ではなくハンター本人の名言を紹介します。
・失敗する権利は誰にでもあるんだよ。当たって砕けろの覚悟で誘えばいい。
・駄目でもともと、駄目じゃなかったらそれはすごいことじゃないか。
・情熱を持ち、不可能だと思っていた夢を見るのさ。
・情熱は人をいきいきとさせる。 世界平和は、一人一人の心の中から生まれるんだ。
問題を楽しむ視点を持とう
映画「パッチ・アダムス」が教えてくれたことは「問題の奥にあるものをみること」「笑いのもつ力を信じること」でした。
人はしかめっ面をしながら笑うことはできません。
笑うから楽しいのです。
困難な問題に直面しても、悩み悲しむのではなく無理にでも笑ってみれば、不思議と楽しくなってきて、いつのまにか問題が解決するかもしれません。
問題に取り込まれるのではなく、一歩引いてユーモアで解決しようとしてみましょう。
それでは、今回はこのへんで。