今回は私の大好きな映画『アイ・アム・サム』に登場する、心に残る名言をまとめます。
どんな映画かと一言で答えるなら「親子愛」に尽きるのですが、なんだかこの映画を観るといつも心が暖かさでいっぱいになるんですよね。
●簡単なあらすじ●
知的障害のため7歳程度の知能しか持たないサムは、スターバックスで働き一人娘のルーシーを育てていた。しかし、ルーシーが7歳になる頃、サムは父親としての養育能力がないと判断され、ルーシーは施設で保護されることになってしまう。サムは最愛のルーシーを取り戻すため法廷で戦うことを決意し、負け知らずの弁護士として知られるエリート弁護士リタを訪ねる・・・。
良いチョイスだね(サム)
スターバックスで働いている間、よくお客さんの注文に対して言っていたサムの言葉。
何気ない一言だけれど、言ってもらえたお客さんはとても嬉しい気持ちになると思う。
実際サムの働いていたスターバックスはいつも和やかな雰囲気に包まれていた。
夢はいつでも大きくもつんだよ(サム)
ルーシーとの面会で、サムはスターバックスでコーヒーを作る係に昇進したことをルーシーに伝える。
そのときに言った言葉。
「人は自分が抱いた夢以上のものは手に入れられない」という名言もある。
大きな夢を持つことは、夢を叶えるための第一歩なのだ。
大人になると大きな夢を持たずに、分相応の夢を抱きがちだ。
そんな時このサムの言葉が大きな夢を持つことの大切さを教えてくれる。
愛こそは全てよ(ルーシー)
児童福祉局でターナー検事に「心の奥底ではパパを物足りないと思っていないか」という質問に対する、ルーシーの答え。
サムとルーシーは固い親子の絆で結ばれていた。
ルーシーにとってサムの知能が7歳程度しかない、などといったことはどうでもよかった。
ルーシーはこの言葉以外にも「パパ以外のパパはいらない」とも言っている。
ルーシーはいつでも愛情いっぱいに接してくれるサムのことが大好きだった。
きみの思っていることが大切なんだ(サム)
裁判所のカフェテリアでサムがリタにランチ代をおごろうとしていたシーンでサムが言った言葉。
この時リタはサムのことを”障害を持っている人”としか見ていなかった。
このことはサムも分かっていた。
このサムの言葉に対して、リタは「私があなたのことをどう思っているか関係ないじゃない。裁判に勝つのが全てなんだから。」と反論するが、サムは「ぼくにとって大切なんだ!」と声を大にして主張する。
この後サムは会計を払うのに頭を一生懸命回転させ、自分一人でお金を払おうと頑張る。
私もサムの意見に賛成だ。
もしリタが終始サムのことを一人の依頼人としか見られなかったら、ぜったいにルーシーを取り戻すことはできなかったと思う。
微調整してる(サム)
リタの書斎でサムと裁判の予行練習をしているとき、リタは「事実に少しだけ細工するの。嘘ではないわ。ただちょっとあちこち微調整するだけ。」と言った。
これに対してサムは「分からない」と答える。
続けて、サムは「きみはウィリー(リタの息子)といつでも遊べてラッキーだね」と喋る。
リタはこれに対して「あの子は私と遊びたがらない」と返すが、サムに「きみが遊ぼうとしていないだけ」と言われてしまう。
リタは「そんなはずないでしょ」と言うが、その時にサムは「微調整してる」と呟く。
リタは怒り、「私はこんなに息子の為に頑張っているのよ!」と頑張りエピソードを話すがサムは終始「微調整、微調整」と呟く。
リタは確かに多忙にもかかわらず、息子の送り迎えをしたり、息子がなくした(わざとかも?)スクーターを車で探しまわったり、息子の為に頑張っていた。
けれど、ウィリーがリタに求めていたのは愛情だった。
リタの行為はどれも息子の為の行動だが、そこにはサムとルーシーの間にあるような愛情がなかった。
このことをサムは見抜いていたのだ。
いつも変わらないこと、そして・・・忍耐だ(サム)
裁判所の証言台でサムは「良い親たらしめるものは何かについて」こう答えた。
続けてサムは、「話を聞いてあげること。たとえ、聞きたくなくても聞いてるフリをしてあげること。そして愛だ・・・。」と続ける。
サムの知能はテストの結果7歳程度とされていたが、サムは親として子供とどう接するべきかについては理解していた。
私は大丈夫・・・あと9ラウンドはいけるわ(リタ)
裁判に負けて、自信を失くして自宅に引きこもっているサムに対してリタが言ったセリフ。
裁判をボクシングの試合に見立てて「9ラウンドはいける」と話すのが、なんともリタらしい。
この場面でサムは「君みたいな完璧な人にはぼくの気持ちが分からない」とリタに話すが、これに対してリタは「私はいてもいなくてもいい人間なのよ」と涙を流しながら怒り反論する。
リタはサムから見れば完璧な人間だったが、リタの周りにはさらに”完璧にみえる”人がいた。
夫婦関係はズタズタ、職場の同僚からも嫌われている、息子とも上手く接することができない・・・リタにはリタなりの障害がたくさんあったのだ。
ただちょっと・・・ただ・・・今まで・・・失敗したことなんてなかったから(リタ)
アイホップの店内でリタとサムがこれからの作戦について話あっているときに、サムがいきなり「旦那さんと別れないといけないよ」と喋る。
図星を突かれたリタは笑い、泣きはじめ「あら、でも私の結婚生活も悪くないのよ。」と苦し紛れに反論し、続けた言葉。
負け知らずの弁護士として活躍し、豪邸や車、あらゆる成功を収めてきたリタにとって「離婚」は失敗を意味した。
それが故、リタは内心、完全に心が離れてしまっている夫と離婚した方がいいことは分かっていたのだが、なかなか離婚に踏み切れないでいたのだ。
しかし、リタにとって人生初めての「失敗」を受け入れることで、リタの心も楽になるのだった。
私たち2人の間で、得してるのはあなたよりも私の方だから(リタ)
夫と離婚した後にサムの家に訪れてリタがサムに言った言葉。
サムとリタは弁護士と依頼人の関係だから、得をするのは本来サムの方のはずなのだが、リタはサムから多くのことを学んだのだった。
この映画の核心に迫るセリフである。
まとめ
名言をまとめていて気付いたのですが、意外にも”名言”といえる言葉が少なかったことです。
とても感動的な映画だったので、私の予想ではもっとたくさんあると思っていたので少し驚きました。
ただこの映画は、名言のような短く、心に刺さる言葉は少ないのですが、映画全体が心に語り掛けてくるところにすごさがあります。
サムとルーシーのとても仲が良い様子を見ていると、「愛情とはこのことをいうのか」と気付かせてくれます。
そしてこの映画の見どころは何と言ってもリタの変化にあります。
リタは最初、成功にしか目がないただの負け知らずな弁護士でしたが、サムに出会うことで段々と人間味のある一人の女性に変化していきます。
リタは”(見せかけの)成功”よりも大切なことをサムから学ぶのです。
ある意味リタは私たちを表していると思います。
この映画を観ることで、私たち自身がリタと同じようにサムとルーシーから人生において最も大切なことは何かを学ぶのです。
『アイ・アム・サム』はそんな映画でした。
それにしてもミシェル・ファイファー演じる弁護士リタ・ハリソン・・・かっこよすぎます!
でもマシュマロを高速で食べるシーンが面白すぎるのは、ここだけの秘密・・・。
それでは~。