映画『ソードフィッシュ』から学ぶより良い生き方

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ガブリエルという男

あなたは映画『ソードフィッシュ』を観たことがあるだろうか。そして、もしそうなら一番の見どころはどこだと思っているだろうか。

カメラを600台使って撮影された爆発シーン?バスが宙づりになって移動する場面?

確かにどのシーンも魅力的だが、私は一番の見どころはそこではないと思う。

この映画の一番の見どころは「ガブリエル」という男だ。

ガブリエルは「夢を現実にしてしまう男」。セリフにもある。

彼は夢を夢のままにしておかない。彼は夢を現実にし、夢の中に生きる。

そういう意味で、彼の生きる世界に夢は存在しない。そして不可能も。

あるのは完璧な世界だけだ。

だから彼は、多額の金を理想通り手に入れ、ラストシーンでボートで逃げる。

でもガブリエルはヘリが撃ち落とされ、死んだはず・・・。歯形も一致したし・・・。

そう疑問に思った人も多いはず。私も以前そう不思議に思ったことがある。ちなみに、その時に書いた記事もある↓

映画『ソードフィッシュ』の謎は謎なことに魅力がある

けれどガブリエルはちゃんと逃げている。完璧な世界に生きるガブリエルにとって死は存在しない。

思い込み=錯覚のワナ

ヘリで撃ち落とされたから死んだはず。歯形が一致したから本人のはず。

スタンリーはそう思いつつも、納得のいかない表情を浮かべる。

彼の頭の中にはヘリが爆発した時、屋上の階段を下りていくガブリエルの姿が浮かぶ。

けれど目の前にあるのは歯形が一致したガブリエルと思われる死体。

納得のいかない現実を無理矢理納得させるスタンリー。

この時スタンリーは「思い込みのワナ」にはまっている。そして、さらにスタンリー自身もそのことになんとなく気付いている。

なぜならガブリエル本人からそう聞かされたことがあったからだ。

ガブリエルは言う「ミスディレクション(=思い込み)さ。錯覚だよ。人は目と耳の刺激にだまされやすい」と。

ヘリが爆発する音、ヘリから出る煙。

これを見てほとんどの人は、「ガブリエルはもう死んだだろう」と思う。けれど実際はそうとは限らない。

なのに人は、理解しやすいように頭の中で都合のいい情報を勝手に結び付け、理解しやすい形に作ってしまう。

「もしかしたらガブリエルは爆発する直前にヘリから降りたかもしれない」とは絶対に考えない。

これがガブリエルの言う「思い込みのワナ」だ。

ガブリエルが白昼堂々姿をくらまし、多額の金を手に入れ、ボートで逃げ出すことができたのは、この人間の思い込みのワナにはまりやすい特性を利用したからだ。

完璧な世界と不完全な世界

でも、もう一つ、ガブリエルが巧みに逃げ出せたのには重要な要因がある。

それは、先にも述べたように、彼の頭の中には夢(単に描いて終わるもの)、失敗、不可能という言葉が、そして概念が全くないからである。

彼は完璧な世界に生きている。

そして、彼の描く完璧な世界に多くの人間が巻き込まれているだけだ。

実際にカーチェイスのシーンで、ガブリエルは交差点に差し掛かろうが、お構いなくアクセルを踏み込み車を走らせる。この時スタンリーは「絶対に衝突する!」と言わんばかりの恐怖の表情である。

スタンリーに運転を代われと命じた後も、ブレーキを踏もうとする彼に対して「突っ切れ」と叫ぶ。

そして車を止めて銃で応戦する時も、そそくさと逃げようとうするスタンリーに対し、ガブリエルはまるで自分には弾は当たらないと信じているかのように堂々と立ち続け、追手を迎え撃つ。

そしてカーチェイスは無事ガブリエルの勝利に終わる。

このシーンからも分かるように、ガブリエルの頭の中には失敗は存在しないのだ。

だからスタンリーは怯える必要はなかった。ガブリエルの描く完璧な世界に巻き込まれているだけだったから、スタンリーは恐怖心を抱かなくても絶対に無事に済むはずだったのだ。(あくまでガブリエルがスタンリーも無事であると信じていたらの話ではあるが・・・)。

彼が無謀とも思える計画を成功させることができたのは、この強烈な信念と人間の思い込みのワナにはまりやすいという特性を利用したおかげだ。

彼は1ミリたりとも自分の夢が現実であることを疑っていないので、その通りに現実が起こる。

ガブリエルはそんな「夢を現実にしてしまう」才能を持つ男なのだ。

けれど、多くの人はスタンリーのような考え方ではないだろうか。

交差点に猛スピードで突っ込めば事故に遭うと信じ、銃撃戦では弾が当たり死ぬかもしれないと信じるのだ。

確かに、このように信じるのは特段おかしなことではない。

逆に、交差点にノーブレーキで突っ込んでも無事だと信じる方が狂人じみていると思われても仕方ないだろう。

けれど、ここがそもそも間違いなのだ。

実際には、交差点にノーブレーキで突っ込むことと、それによって事故に遭うことは全く関係がない。

多くの人は気付いていないが、人間は宇宙とつながっている。そして宇宙とは完璧な存在である。

その完璧な宇宙と人間がつながっているということは、不足は起きないということだ。

だからどんなに猛スピードで交差点に突っ込んでも、その人本人が、全く、微塵たりとも事故に遭うと思っていなければ、そんなこと信じていなければ、絶対に衝突しない。

だからと言って興味本位で試そうとしないで欲しい。

1ミリたりとも、0.000000001ミリたりとも「もしかしたら・・・」という気持ちがあったらリスクは必ず存在する。

重要なのは潜在意識レベルでどう考えているかということだ。

多くの人は、この潜在意識に常識やモラル、教育という形で無意識に根拠のない考えを植え付けられている。

そしてそれにより、本当は完璧なはずの世界が、不完全な世界に歪められてしまっている。だから苦しむ。

けれど、その不足、不完全な世界を創り上げているのは自分なのだ。

自分で不足を生み出し、自分で不足に苦しんでいる。

教育、常識(という名の偏見)、モラル、新聞、テレビ、そういったものから潜在意識に「世界は不足に満ちている」と信じこまされている。

それは自分で望んだことではないだろう。けれど、それに不満を言っていても仕方のないことだ。

大切なのは、潜在意識が無意識に他者によって書き換えられていることに気付き、これからどう行動するかだ。

信じるも、信じないも個人の自由。

けれど、世の中には二種類の人間しかいないことを覚えておいて欲しい。

それは、ガブリエルのように完璧な世界に生きる人間と、不完全な世界に生き続ける人間だ。

ガブリエルのようになれ

どちらか一つなら、完璧な世界に生きたい。いや、戻りたいと思わないだろうか。

完璧な世界に生きる方法は簡単だ。

それは今まで信じてきたありとあらゆる常識を全部捨てること。

けれど、いきなり捨てるのはなかなか難しいかもしれないから、最初は疑うだけでも十分だ。

そして、自分の頭の中に完璧な世界を思い描く。なにも、いきなりガブリエルのように大きな夢を想像しなくてもいい。

最初は小さな理想から始めるのだ。

例えば、信号に引っかからずに目的地に着くとか、店で自分の好きな曲が流れるとか、そういう小さなことからイメージするといい。

そして何かに挑戦する時は、「自分はやっぱりダメかもしれない」とか思ってはいけない。そう思ってしまいそうな時は「ガブリエルだったらこう心配するだろうか」と想像してみて欲しい。

そしてその答えは勿論NOに決まっている。ガブリエルは心配したりしない。彼は常に完璧な世界に生きているから。

自分の可能性を強く信じて生きていくことが大切だ。

誰もがガブリエルのように「夢を現実にしてしまう人」になれるのだから。

人生をより良く生きるためのメモ「自分を強く信じること」

「夢を現実にしてしまう男」ガブリエルを観れる映画『ソードフィッシュ』

爆発のシーンも、宙づりのバスも印象的だけれど、何度も思い返してしまうのは、やはりガブリエルという存在。

カーチェイスのシーンは、ガブリエルという男、そして彼の完璧な世界が覗けるシーンだ。

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『ソードフィッシュ』カーチェイスシーン

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