ぼく、走れるようになりたいんだけど･･･
きつすぎて続けられないよ～
もるもるくん、それは走り方に問題があるからだよ
えっ！？走り方？
苦しくないペースまでスピードを落とそう
そもそも「きつい」と感じることが間違っているんだよ
え～？でも走るときついのは当たり前でしょ？
ううん、走ることは本来苦しい運動じゃないんだよ
でもぼく、走ると「ぜ～ぜ～」なるよ
それは、もるもるくんが「ぜ～ぜ～」なるペースで走っているからだよ
例えば、もるもるくんは普段歩いている時いつも「ぜ～ぜ～」息が上がっちゃう？
それは流石にないよ！
そうだよね
普段歩いている時は息が上がらない･･･
それは、もるもるくんにとって「楽なペース」だからなんだ
でも、歩くことと走ることは全然違うでしょ
そうだね、でも外でランニングしている人はみんな苦しそうな顔をしてる？
いや･･･苦しそうに走っている人はあんまり見ないなぁ
どちらかと言うと、普通の表情で走っている人が多い気がする
それはどうしてだと思う？
「楽なペース」で走っているから？
そう、人それぞれ「楽なペース」は違うんだ
ある人にとっての「楽なペース」は「時速3kmで歩くこと」かもしれないし
またある人にとっての「楽なペース」は「時速8kmで走ること」かもしれないんだ
こんな風に、「走ること」を習慣づけたい場合には、「楽なペース」で走ることが大事なんだよ
まずは歩くスピードで走ってみる
「楽なペース」で走ること･･･
でもぼくの場合、そもそも走る時点で楽じゃない･･･
全然大丈夫だよ！
それならまずは歩くスピードで走ってみよう
歩くスピードで！？
それって流石に遅すぎるんじゃないの？
確かにみんながイメージしている走るスピードと比べると随分遅いね
でも最初はそれくらいのペースで充分いいんだよ
それに、歩くペースで走ることには嬉しいメリットもあるしね
歩くスピードなのに消費カロリーは２倍
同じ速さで歩くのと走るのではスピードはまったく同じなのに、走る方が消費されるカロリーは歩くのに比べて1.8倍～2倍も多いんだ
え～！
それって、ロールイカ１個分のカロリーを歩いて消費するとしたら、同じ速度で走るとロールイカ２個分のカロリーを消費できるってこと？
どうしていきなりロールイカが出てくるのか分からないけれど、まぁそういうことだね･･･
すご～い！
だから歩くスピードで走ることはダイエットが目的の人にもオススメできる運動なんだ
スロージョギングは全身の筋肉を鍛えることができる
歩くスピードで走ること･･･このことを「スロージョギング」と呼ぶんだけど
スロージョギングは、全身の筋肉を鍛えることもできるんだよ
歩くスピードと同じなのに！？
そうなんだよ
スロージョギングは歩くスピードと同じくらいの速さなのに、筋肉の使われ方は普通のジョギングとよく似ているんだ
つまり、ウォーキングではあまり鍛えられない筋肉も、スロージョギングなら鍛えることができるんだよ
スロージョギングのやり方
スロージョギングに興味が出てきたけど、具体的にどうすればいいのかな？
スロージョギングの大事なポイントは大きくは２つだけ！それは、
①「にこにこペース」でゆっくり走ること
②歩幅を狭くして、フォアフット（足の指の付け根あたり）で着地すること
この２つのポイントを意識すれば大丈夫だよ
「にこにこペース」は笑顔を保てるペース
「にこにこペース」？
「にこにこペース」は息を切らすことなく、笑顔を保っておしゃべりできるペースのことだよ
人によって「にこにこペース」は違うから自分の「にこにこペース」を見つけることが大切なんだ
＊「スロージョギング」という言葉のイメージから、スロー＝低速でなければスロージョギングと言えないのか、と思う人もいるかもしれませんが、別にそうではありません。例えば、体力がある人の場合いきなりそれなりのペースで走ることができるかもしれません。けれどそれでも、その人にとってそれが「にこにこペース」なら、それはスロージョギングと言えるのです。
ちなみに「にこにこペース」を過ぎてしまうと「がんばりペース」になってしまう･･･
「にこにこペース」から「がんばりペース」に入ってしまうと、今まで「ラク～」と感じていたのが「ちょっとキツイ」と感じるようになるよ
だから「ちょっとキツイ」と感じたら、また「ラク～」と感じられるペースまで落としてね
でもラク過ぎるのも要注意
「とってもラク～」というのは「にこにこペース」ではなく「るんるんペース」であり、少し強度が足りなさすぎなんだ
え～、じゃあどうすればいいの～？
オススメなのは「ちょっとキツイ」と感じる一歩手前のスピードで走ること
「ラク～」と感じるペースから少しづつスピードを上げて「ちょっとキツイ」と感じたら、そこからほんの少しスピードを落とす
それでまた「ラク～」と感じられたら、それが自分にとっての「にこにこペース」ということだよ
なるほど～♪
フォアフット着地はその場ジャンプで確認
じゃあ２つ目のポイントの「フォアフット着地」って？
「フォアフット着地」とは「足の指の付け根あたりで着地すること」だよ
足の指の付け根あたりで着地するの？
それって変な感じがするよ
だって、普通走るときって「かかと」で着地しない？
それは現代の靴がそういう着地方法に変えさせてしまっているからなんだ
例えば、その場でジャンプしてみるとすぐ分かるよ
人はその場でジャンプする場合、必ず足の指の付け根あたり（フォアフット）で離陸し、足の指の付け根あたり（フォアフット）で着地するんだ
これがどうしてか分かる？
う～ん？たまたま？
じゃあ、試しにその場でジャンプしてかかとで着地してみてごらん
せ～のっ！
ピョン
ガンッ！
いたっ！！
それが答えなんだ
研究によってフォアフット着地に比べて、かかと着地は３倍も衝撃が大きいことが分かっているんだよ
３倍も！？
とても大きな差だよね
これが本能的に分かっているから、人はその場でジャンプするときは自然にフォアフット着地になるんだ
なるほど～
フォアフット着地はケガのリスクを抑えられる
でも現代の靴が人の走り方を変えてしまったんだ
現代の靴の多くは、かかとで着地することを想定して作られている
そういう靴に慣れきってしまった結果、多くの人はかかとで着地する走り方が当たり前になっているんだ
でも靴にはクッション材がいっぱい入っているから、３倍衝撃が大きくても問題ないんじゃないの？
じゃあ逆にそれならどうして毎年多くのランナーが足を故障しているんだろう？
みんなクッション材がいっぱい入ったシューズを履いているのに、足を故障してしまう人は後を絶たない･･･
靴がきちんと衝撃を吸収してくれているなら、足を痛めないはずだよね
たしかに･･･
つまり、靴は衝撃を吸収してはいないんだ
衝撃を吸収するには着地の方法を変える必要がある
そしてその着地方法がフォアフット着地なんだよ
シューズがさえぎるのは痛みであって、衝撃ではない！痛みはわれわれに心地よい走りを教えてくれる！裸足になったそのときから、きみの走り方は変わるはずだ。
ベアフット・ケン・ボブ（裸足で走ることを推奨しているランナー）
フォアフットでスロージョギングをやってみよう
フォアフットで走ってみようと思うんだけど、上手くできるかまだ心配･･･
少しずつで大丈夫だよ
慣れないうちは、走り始める前にその場でジャンプしてフォアフットの感覚をつかもう
裸足で走れる場所が身近にある人は、裸足で走ってみるのもオススメだよ！それがフォアフットに慣れる一番の方法だからね
そうしていよいよ「にこにこペース」で走り出すんだけれど･･･
ここで意識して欲しいのが「地面を蹴る」のではなく「地面を押す」ということ
蹴ろうとすると、どうしても「かかと着地」になりやすいからね
地面をトントンと押すイメージで、地面を押して得られた反発力を利用して前に進もう
着地した瞬間斜め前にジャンプする感じだね
背筋は軽く反らすようなイメージで上半身はリラックスさせてね
腕振りは何も考えず自然に任せておいて大丈夫
あごは引いて走る人が多いけれど、実はあごは少し上げ気味で走った方がラクに走れるよ
それから口は開けておくと腹式呼吸がしやすくなって、体内の空気の入れ替えがスムーズにできるよ
そして、フォアフット着地にすると、ストライド（歩幅）ではなくピッチ（一分間当たりの歩数）で走行速度を稼ぐ走りになるから、ピッチが多くなるのだけれど･･･
具体的には15秒で45歩以上を目安にするといいよ
これはイメージしても分かりにくいから、ストップウォッチを使って実際に走って確認してみてね
これを意識すると最初は本当に足の大きさの半分くらいの歩幅になって、ちょこちょこした走り方になるから「これで本当に大丈夫なの？」と不安になる人もいると思うけれど･･･
慣れてくると同じ「にこにこペース」でも少しずつ歩幅も広くなってくるから心配しないでね
メモメモ･･･
準備運動はしなくていいの？
「にこにこペース」で走るスロージョギングは、歩くことの延長と言われているから準備運動はいらないよ
靴はどんなものでもいいの？
特にこれじゃないとダメというものはないから、今持っているものでいいよ
けれど理想は裸足感覚で走れるような靴底が薄いものがオススメ
メモメモ･･･
いろいろポイントを紹介してきたけれど、一番大事なのは「にこにこペース」で走ることだよ～
「これならできる」を実感できたら大成功
実際やってみると分かると思うんだけど･･･
「にこにこペース」で走るのって意外と難しいんだ
というのも、走っていると「ちょっとキツイ」以上の強度になりがちなんだよね
「ラク～」と感じられるペースまで落とすと、あまりに遅すぎて最初はビックリすると思う
けれどそれが正解なんだ
続けていれば同じキツさでも少しずつ速度は自然と上がっていくからね
スロージョギングをやってみて「これなら自分にも出来る！」と感じられたら大成功だよ
さっそくぼくもやってみよ～！
＜まとめ＞
・「走ること」を習慣づけたいなら「楽なペース」で走ること
・まずは歩くスピードで走ってみる
・同じ速さでも歩くのと走るのでは、走る方が消費されるカロリーは歩くのに比べて1.8倍～2倍も多い
・スロージョギングは、全身の筋肉を鍛えることができる
・スロージョギングのやり方 ①「にこにこペース」でゆっくり走ること ②歩幅を狭くして、フォアフット（足の指の付け根あたり）で着地すること
・「にこにこペース」は息を切らすことなく、笑顔を保っておしゃべりできるペース
・オススメは「ちょっとキツイ」と感じる一歩手前のスピードで走ること
・「フォアフット着地」とは「足の指の付け根あたりで着地すること」
・フォアフット着地に比べて、かかと着地は３倍も衝撃が大きい
・地面は「蹴る」のではなく「押す」イメージで
・スロージョギングのピッチの目安は15秒で45歩以上
・スロージョギングの場合、準備運動はいらない
・靴は裸足感覚で走れるような靴底が薄いものが理想
参考文献＆オススメな本
リンク
これからランニングを始めようとしている人みんなに読んでみて欲しい本です。ランニング初心者を対象に書かれている本でありながら、フルマラソン完走、さらにはサブスリー達成のための情報まで網羅されています。「自分には走る才能はないんだ」という気持ちから「自分にも出来るかも」という気持ちに変えてくれる本です。
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