『ショーシャンクの空に』のあらすじ
ショーシャンク刑務所に、若き銀行の副頭取だったアンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)が、妻と間男を殺害した罪で入所してきた。最初は刑務所の「しきたり」にも逆らい孤立していたアンディだったが、刑務所内の古株で“調達係”のレッド(モーガン・フリーマン)は彼に他の受刑者達とは違う何かを感じていた。そんなアンディが入所した2年後のあるとき、アンディは監視役のハドレー主任(クランシー・ブラウン)が抱えていた遺産相続問題を解決する事の報酬として、受刑者仲間たちへのビールを獲得する。この一件を機に、アンディは刑務所職員からも受刑者仲間からも、一目置かれる存在になっていく・・・。
アマゾン 内容紹介欄より
絶望的な刑務所から、無実のアンディは自力で脱獄を果たします。
そんな彼が大切にしていたものとは「希望」でした。
今回は映画『ショーシャンクの空に』の名言から、日常にも活かしたい心構えを考えていきます。
『ショーシャンクの空に』に登場する名言たち
頭の中と心の中で聴いていた。音楽は決して人から奪うことはできない
独房の中に入れられていたのに、アンディは音楽を聴いていたと言う。
「どうやって?」と仲間が尋ねた時に、アンディが答えた言葉。
そう、音楽は人から奪えない。
身体的な自由は奪われても、頭の中や心の中で考えているものは奪われはしない。
だから、一曲励みとなる曲を見つけた方がよい。
それは、挫けそうな時にきっと助けになってくれるから。
ここ(刑務所)だからこそ意味があるんだ。忘れちゃいけないものだ。~希望だよ
アンディは仲間達に希望を持ち続けることの大切さを説いた。これは、その時の言葉である。
けれど、このアンディの考えに対してレッドは次のように反対した。
希望は危険だぞ。希望は人を狂わせる。塀の中では禁物だ。
アンディとレッドは仲が良かったが、希望についての考え方は真逆だった。
アンディが、「刑務所を出たら、ホテルを経営して、古い船を買って修理して・・・」と夢を語った時も、レッドは
そんなことを考えるのはやめたほうがいい、アンディ。そんなのはただの夢物語だ!メキシコははるか南だし、おまえはこの中、それが現実なんだ!
と言っている。
確かに、レッドの言う通り絶望的な環境で希望を持つことは危険性もある。
頭の中で思い描いている希望と、現実とがあまりに違いすぎると、精神を病んで妄想の世界に生きてしまうか、過酷すぎる現実に失望し、人生を諦めてしまうおそれがあるからだ。
けれど、だからといってレッドのように希望を持たないでいることは良案だろうか。
それは違う。
何も希望を持たずに、現実を受け入れていては、同じ毎日が繰り返されるだけである。
実際、刑務所に入って希望を捨てたレッドは40年間服役していて、ブルックスのように刑務所病(刑務所に慣れてしまう病気)になりつつあった。
そう考えると、希望を捨てることの方がよほど危険ではないだろうか。
選択は二つ。懸命に生きるか、懸命に死ぬかだ。
アンディの無実を証明できる唯一の人物トミーが、所長によって殺されてしまった。
これでアンディは、無実として刑務所を出ることは不可能になり、その時にレッドに対して言った言葉。
この言葉を聞いて、レッドはアンディが自殺してしまうのではないかと心配をしたが、アンディは「懸命に生きる」という選択をした。
「懸命に生きる」選択を取ったアンディは、小さなロックハンマーで壁を掘り、嵐の夜、見事に脱獄を成功させた。
生きていれば、いろいろな困難に遭遇する。
時には諦めたくなることだってあるだろう。
でもアンディの言うように、選択肢は「懸命に生きるか」「懸命に死ぬか」の2つだとしたら、やはり「懸命に生きる」方を選ぶべきだと思う。
生きてさえいれば可能性は無限大だが、死んでしまってはゼロだからだ。
どちらにせよ「懸命」にならなければいけないのなら、可能性のある方に賭けたいものだ。
ヤケになるな!生きていれば・・・生きていれば無限の可能性があんたを待っているんだ!
『ファイナルファンタジー10』 アーロンの言葉
希望はいいものだよ、おそらく他の何よりも。いいものは決して滅びない
アンディから「もし出所出来たら、ある場所を掘って欲しい」と言われていたレッド。
仮釈放になって、言われた通りに掘ったところ、アンディからの手紙を見つけた。これは、その手紙に書かれていた言葉。
レッドから「希望は危険だから、捨てるべきだ」と言われたアンディだが、彼は希望を持ち続けた結果、約20年かけて壁を削り自力で脱獄することに成功した。
そんなアンディの希望に対する考えが、この言葉に詰まっている。
困難な状況で一番持つべき力は、レッドの言うようにありのままの現実を受け入れる力ではない。
一番持つべきものは、希望である。
希望が、人を行動に駆り立てる。
勿論、現実を分析する力も必要なものである。
けれど、それだけでは足りないのだ。
希望がなければ。
アンディは刑務所に入所したての頃、壁に自分の名を掘ろうとし、ボロッと壁が剥がれ、そこに希望の欠片を見出した。
それから毎晩コツコツと小さなロックハンマーで掘り続け、20年かけてそれは大きな穴になった。
所長が壁に出来た穴を驚きの表情で覗き込むシーンは、何度見ても面白い。
アンディの言う通り、希望は滅びず、希望が持つ力は計り知れない。
確かに救いはこの中に
ノートン所長は、新入りの囚人たちに「私は2つのものを信じている。規律と聖書だ」と言って、聖書を一人一冊ずつ渡していた。
そして、アンディの房の抜き打ち検査の時も、ノートン所長は「救いはこの中にある」と聖書を渡している。
アンディが自力で脱獄し、ノートン所長の裏金を新聞社に暴露すると、警察が刑務所に押し寄せ、ノートン所長は自分が信じているもの ― 「聖書」を手に取る。
その聖書に書かれていた言葉。
さらにページをめくると、ロックハンマーが隠せるように聖書が切り取られていたのだ。
アンディがレッドにロックハンマーを調達して欲しいと頼んだ時、レッドは「抜き打ち検査の時に見つかれば没収されるぞ」と注意していたが、アンディはこのようにしてロックハンマーを隠し持つことに成功していたのだった。
ノートン所長が信じていたものの中に、脱獄のための超重要アイテムが隠されていたとは、なんという皮肉だろう。
ノートン所長が「救いはこの中にある」とアンディに言って聖書を渡したときも、その中にはこのロックハンマーがあったと想像すると、とても面白い。
そしてアンディもその所長の言葉を覚えていて、「確かに救いはこの中に」と書いているのだから、所長はさぞ驚いたことだろう。
どんな時でも希望を持とう
『ショーシャンクの空に』は「希望を持ち続けることの大切さ」を教えてくれる映画です。
希望を捨てることを選んでいたレッドは約40年もの間服役していましたが、アンディは希望を持ち行動することで、その半分である20年で刑務所から脱獄しました。
レッドも40年目の仮釈放審査委員会で承認されることで、刑務所から出られたわけですが、それは希望を抱き夢を語るアンディに出会ったことで、彼の心の中に何か変化が起きたからなのだと思います。
実際、仮釈放を拒否された時と承認された時のレッドは大きく違います。
希望を失うことは、言い換えれば「あきらめる」ことです。
あきらめることは楽ですが、諦めからは何も生まれません。
希望を持ち、行動することが、困難な状況を乗り越えるうえで、とても重要なのです。
行動してもなかなか思うような結果が出ず挫けそうになることもあるでしょう。
でもそんな時は、小さなロックハンマーでコツコツと壁を掘り、大きな穴をあけたアンディを思い出してください。
希望を持ち続け、自らの力で道を切り開いた彼を。