もるもる君 あぁ~ボクこんなに上手にポーズを決められるようになったんだから、誰かに褒められたいな~
わらび君 どうして褒められたいの?
もるもる君 そりゃあ、何か上手くできたら誰でも褒められたいものでしょ?
わらび君 もるもる君、その考え方はね、知らず知らずの内にある危険性を生んでいるよ
もるもる君 えぇ~!どんな危険性!?
「褒められたい」と強く願うのは自己肯定ができていないから
わらび君 もるもる君は褒められるとどんな気持ちになるから「褒められたい」と願うのかな?
もるもる君 褒められると、ボクのことを認められている気がして嬉しくなるからかなぁ
わらび君 自分では自分のこと認めてあげないの?
もるもる君 えっ!?
わらび君 自分で認めてあげれば誰かに褒められることを願う必要もないんじゃないかな?
もるもる君 自分で自分を認める・・・
わらび君 そう。これは自己肯定感って言葉に言い換えることができるよ。
【自己肯定感】
自己肯定感(じここうていかん)とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉であり、自尊人、自己存在感、自己効力感、自尊感情などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる言葉である。
Wikipedia より
わらび君 そして、今もるもる君が思っている「誰かに褒められたい」っていう気持ちは承認欲求だね。
【承認欲求】
承認欲求(しょうにんよっきゅう)とは、「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という欲求であり、「尊敬・自尊の欲求」とも呼ばれる。
Wikipedia より
わらび君 自己肯定がキチンと出来ていれば承認欲求を過度に求める必要はなくなってくるんだよ。
もるもる君 どうしたら自己肯定が出来るようになるの?
わらび君 それはね・・・
・まず、ありのままの自分を受け入れること。
=自分は今のままの自分で良いんだと受け入れる勇気
・自分のことをどう評価するかは相手の課題であることを理解すること
わらび君 この2つのことを実践することが大事だよ。
わらび君 大袈裟に言えば、例えば他人から見てボクがまったくと言っていいほど走るのが遅かったとするよね?
わらび君 それでも、ボクが自分のことを走りが上手いと思っても良いってことなんだ!
もるもる君 えぇ~!そんなんでいいの~?
わらび君 何故なら速い、遅いの絶対的な基準は世の中には存在しないからね。
もるもる君 でもそれって「自尊心が高い」ってことでしょ?なんかナルシストなイメージ・・・
わらび君 それはちがうよ。人は自尊心が高くなければ他人を受け入れたり優しくしたりすることができないんだよ。
自尊心とは何か。
それは自分を好きになり、他人と同じように自分も素晴らしい人生を創造するに値する人間だと信じる気持ちのことである。自尊心は人生のほとんどすべての局面に大きな影響を与える。人間関係、自信の度合い、職業の選択、幸福、心の平和、成功。これらはすべて自尊心と密接な関係がある。
『うまくいっている人の考え方』(ジェリー・ミンチントン)より
わらび君 自尊心を持てていれば誰かの承認はいらないんだよ。
もるもる君 そっ・・・それはそうかもしれないけれど・・・やっぱり誰かに褒められる方が嬉しいよ
わらび君 確かにそう思う人が多いかもね。
わらび君 でも、褒められることを願うことには次のような側面があるんだよ。
褒められることは自ら縦の関係を肯定している
わらび君 もるもる君は、転んで泣かなかった子供を見たらなんて声をかける?
もるもる君 う~ん・・・「泣かなくて偉いね」とかかな?
わらび君 じゃあ、ある大人の人が何か怪我をして痛いのに涙をこぼさず我慢していたら「泣かなくて偉いですね」と言うかな?
もるもる君 それは言わないよ!
わらび君 どうして?泣かずに頑張っているのは同じなのに、どうして、小さい子供の時は褒めて、大人の時には褒めないのかな?
もるもる君 それは当たり前だからだよ。
もるもる君 大人は転んでも泣かないでしょ。でも子供は泣く子もいる。
もるもる君 それにボクだって転んでも泣かない時あるし・・・
わらび君 つまり、泣くのを我慢できる能力がある(と思っている)人の時は褒めずに、我慢できる能力がない(と思っている)人の時は褒めるんだね。
もるもる君 あっ!!
わらび君 そう!「褒める」という行為は「能力がある人が能力のない人にする」という側面を持っているんだ。
~ほめるという行為には「能力のある人が、能力のない人に下す評価」という側面が含まれています。夕飯の準備を手伝ってくれた子供に対して「お手伝い、えらいわね」とほめる母親がいる。しかし、夫が同じことをした場合には、さすがに「お手伝い、えらいわね」とはいわないでしょう。
『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健)
わらび君 そして「能力がある人」と「能力がない人」の間には上下関係が形成される。
わらび君 もっと言うと人は誰かを褒めようとするとき「この人は自分より劣っている、でも頑張っているから褒めてあげよう」という心理が働いていたりする。
わらび君 そういう意味では褒めることは「立場が上の人が立場が下の人にする行為」と言い換えてもいい。
わらび君 親や上司が、自分の子供や部下を褒めて伸ばそうとしている場面を想像すると分かるかな。
~つまり、「えらいわね」とか「よくできたわね」、「すごいじゃない」とほめる母親は、無意識のうちに上下関係をつくり、子供のことを自分より低く見ているのです。
『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健)
わらび君 だから「褒められたい」と願うことは・・・
もるもる君 自分で相手より立場が下なことを願っているということ・・・!?
わらび君 そうなんだよ。
わらび君 褒められることは縦の関係を生むんだよ。
【縦の関係】
先生と生徒、上司と部下、親と子、に見られる上下の関係。従属関係とも言う。
わらび君 これと反対なのが横の関係。
【横の関係】
上下関係のない横のつながり。「同じではないけれど対等」という認識を持ってつながり合う間柄。
わらび君 さらに詳しく言えば「褒められたい」と願うことは「自分には能力がない」という信念を形成しているんだ。
もるもる君 そんな!
わらび君 何故なら、「褒める」という行為はさっき説明したように「能力のある人が能力のない人にする行為」だからね。
わらび君 だから、もるもる君も自分より能力のない(と思っている)子供は褒めても・・・
わらび君 自分と同等か、それより能力のある(と思っている)大人の人には褒められなかったんだ。
もるもる君 ボク・・・そんなことを願っていたのか・・・・・・。
わらび君 人の意識の割合は顕在意識10%、潜在意識は90%と言われている
わらび君 「褒められたい」と願うことは無意識にこの潜在意識に「自分は能力がありません」という信念を刷り込んでいることになるのだから、いかに危険な願望なのかが分かるよね。
もるもる君 ・・・・・・でも・・・
もるもる君 みんなボクに期待してくれているから「褒める」んじゃないかな?
誰かの期待する自分を生きる必要はない
わらび君 じゃあ、もるもる君は誰かの期待に応える為に生きているのかな?
もるもる君 う~ん・・・折角期待してくれているのなら出来るだけ応えてあげたいな~とは思うかな・・・
わらび君 もし、もるもる君が目指している自分の姿と他人がもるもる君に期待している姿が違ったらどうするの?
もるもる君 そっ・・・それは困るかな・・・
わらび君 しかも、もるもる君に期待している人は世の中に何人もいるよ。
わらび君 親、恋人、先生、上司、近所の人、友人・・・
わらび君 これらの人の期待がみんな一致しているわけはないよね?
わらび君 だから、そもそもみんなの期待に応えるなんて無理なことなんだ。
もるもる君 たしかに・・・
わらび君 この無理なことを必死にやろうとすると、病気になったり、一番悲しいことには自ら命を絶ってしまったりすることにつながるんだ。
もるもる君 みんなの為に頑張ったのに悲しすぎる・・・
わらび君 だから、誰かの期待に応えようとする必要なんかないんだよ。
おわりに
もるもる君 褒められたいって思わずに自分で自分のこと認めてあげるようにしたら、なんだか自分に自信が持てるようになったし
もるもる君 なにより人に振り回されなくなったよ
わらび君 相手の評価を待つ必要がないからね。
もるもる君 よーし!もっともっとポーズに磨きをかけるぞ~!
《今回のまとめ》
・自己肯定感、自尊心をしっかりと持てていれば承認欲求はなくなる
・自己肯定感、自尊心は世の中の様々な場面において重要な要素である
・褒められることは縦の関係をきづくこと
・「褒められたい」=「自分には能力がない」と思っていることと同じ
・全ての人の期待に応えることは不可能であり、その必要はない
・もっと自分で自分を褒めてあげよう
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