「レシピ通りにきちんと作れば美味しい料理が作れるはず・・・」そう思って、丁寧に量って作っているのに出来上がった料理はなんだかイマイチ・・・。
「ちゃんとやっているのに、どうして?」と思いますよね。
でもそれはある意味当たり前のことではないかと思うのです。
レシピ通りにやっているのに美味しくない
私は料理をやり始めたばかりの頃、レシピ通りに忠実に作っていました。
大さじ、中さじ、小さじ、使う時はきちんとお箸ですりきって量ったりしていました。
それで最初は美味しい料理が出来たと満足していたのですが、回数を重ねるごとに、成功というより微妙・・・と思う出来が増えてきました。
「一生懸命作ったのにどうして?」という疑問を何度も抱きました。
そういう思いを何度も繰り返しているうちに、「どうして?」という疑問から段々と「これは砂糖が多すぎるのでは?」や「醤油の量をあと少し増やすとよかったかも」という気づきに変わっていきました。
そこまで分かってきたのなら、自分の思うように作ればいいのですが、今までレシピ通りに忠実にやってきた私は「でも、もしかしたら自分の勘は外れていてもっと美味しくなくなるかも」と、レシピという枠の中から抜け出せずにいました。
「何か違う気がする・・・」「でもオリジナルは怖い・・・」こんな風にグズグズ悩んでいたら、ある日私の背中を押してくれる言葉に出会ったのです。
”レシピ通り”をやめさせてくれた言葉
ある日私は、私の好きな雑誌『暮らしの手帖』を読んでいました。その号のテーマの一つが「料理家8人に聞きました。『料理力って何でしょう?』」というテーマで、料理が好きな私にとってはとても気になる内容だったのです。
その特集を読んでいると、レシピという名の檻の中にいつまでも捕らえられている私を引っ張り出してくれる言葉にたくさん出会いました。
・食いしん坊であるべし。それが料理上手の早道よ
・本当の美味しさって、自分の舌を信じなければ作れないものじゃないかしら
・料理は一に素材、二にタイミング。ただ丁寧に作れば美味しくなるってわけでもないわね。
・こうしたら、旨かろう。食いしん坊って、いつでもそう想像し、工夫するものです。
・いつも量って作っていると、毎回同じ味になっちゃう。家の料理はつどつど違うからおもしろいのよ。
・自分の「おいしい」を持って食べたい味を創ることです
・「こんなふうにしたらおいしそう」という自分の感覚を大事にして、思い切って作ってみてください。失敗したっていいんです。それが、「次はこうしたら、もっとおいしくなるはず」っていう、成功のもとになるのですから。
・楽しくなければ毎日続かない。自分が食べたい味をイメージして。
・食べる人にとっておいしくて、作る人にもうれしいものを。レシピと違っていたっていい。おもしろがって作れば上達も早いものです。
・目で見て、手で感じて、においをかいで作ることです。
・覚えるべきは、レシピじゃなくて、法則です。基本を押さえたら、あとは自由に楽しく作りましょう。
・レシピの手順通りやればいいわけではないのです。見てかいで触って聴いて。自分の感覚を全開にする、これが料理の基本です。
・丁寧に、何度も作る。失敗しても大丈夫。
・まずは目の前の食材をよく見ることから。水分量、柔らかさ。ものによってずいぶん違うと気づくはずです。
・レシピ通りでなくてもいいと思います。料理は”ひとりひとり”作る人によって違っていいんですよ。
これらの言葉に出会って、私は吹っ切れました。
「もっと自由に料理しよう。自分がやりたいようにやろう」そう心に決め、思い切ってレシピを無視して作ってみることにしたのです。
紹介した言葉が掲載されている号はコチラ↓です。料理が好きな方は是非読んでみてください。本当にオススメです。私は何度も読み返しています。
”レシピ通り”をやめると良いことだらけ
レシピを見ない方が美味しい料理を作れる
レシピ通りに作るのやめて、自分が感じたように作るようにしたら、「今までの失敗はなんだったの?」と思う程嘘みたいに美味しい料理が作れるようになりました。
時には微妙な出来になってしまうことも勿論あります。けれども全体的には美味しいと思える出来の方が、レシピ通りにやっていた頃に比べると圧倒的に増えました。
たとえ失敗しても、自分の好きなようにやった結果の失敗なので、すんなり受け入れられるのも嬉しいです。
自由に作れるから楽しい
美味しい料理が作れるようになっただけでなく、それまでより料理が楽しくなりました。
レシピ通りに作るって、人から「はい、醤油大さじ2入れてね。次はみりん大さじ1ね。次は・・・」と指示されているのと同じことだと思うんです。
これって料理というより作業っぽい・・・。
自分の好きなように作り始めると、なんでも自由なのでやっていてとても面白いです。
この自由な感覚を知って、「料理は絵を描くのに似ているな」と思いました。
絵はみんな自由に自分の描きたいものを描きますよね。
料理もそれと同じなんです。自分の作りたい味を作るために、自由に味付けをしていく。料理は本来自由なんです。
時間短縮・洗い物も減って楽に
レシピ通りをやめたら、今までより短い時間で料理が作れるようになります。
そして使う道具が減るので、洗い物も減ります。
美味しい料理が作れるようになって、楽しくなって、洗い物も減って・・・良いことづくしです!
レシピを見ないで作れるようになるために
こんな風にレシピ通りに作るのをやめることは、メリットだらけなのですが、レシピに慣れているといきなり自由に作るのには抵抗があったり、難しいと思うかもしれません。
そこで、レシピを見ないで作れるようになる方法をいくつか紹介します。
まずは基本を押さえる
まずは王道のレシピを覚えましょう。
「えっ?レシピは見ないんでしょ?」と思うかもしれませんが、レシピを見ないためにレシピを見るのです。
ハンバーグならハンバーグ、生姜焼きなら生姜焼き、というように王道な「美味しい!」と言われているレシピを見て、一回はそれ通りに作ってみるのです。
そういう王道なレシピには基本が詰まっているので、その基本を押さえます。
基本を押さえることはとても重要です。全ての料理は基本からの応用なのです。
基本さえ覚えてしまえば、あとはどうにでも出来るので、まずは基本を覚えましょう。
味見をする
料理をする時はいつでも味見しましょう。プロは味見を欠かしません。
例えば煮込み料理は、寝かせている時に味がしみ込んでいきます。
寝かせる前に、ピッタリの味だと味が濃くなってしまいます。
寝かせる前に味見して、寝かせ終わった後にまた味見をすれば、どれくらいの濃さでやめておけばちょうどいいか分かるようになります。
料理だけでなく、調味料も変えたら味見しましょう。同じ調味料でも、味が全然違います。
野菜も同じ。
なんでも味見して、自分の舌に味のレパートリーを覚えさせるのです。
何度も作る
一回で完璧な味を作ろうとしないでください。
料理は工夫を重ねて作り上げるものです。
一回目作って、食べて、「もう少しこうすればよかったかも」という気づきを次に生かして、理想の味に近づけていくのが料理です。
ですから、自分の納得がいく料理にするためには、同じ料理を何度も何度も作る必要があります。
美味しい味・本物の味を知る
サバの味噌煮が好きなら、サバの味噌煮が美味しいと有名なお店を巡りましょう。
本物の味を知ることは、美味しい料理を作る近道になります。
そしていろいろなお店を巡った後は、自分で作ってみてください。
自分で作ると何が足りないのか、どう作り方が違うのかに気づけます。
レシピ通りに作っても美味しくできないのはある意味当たり前
自由に料理を作るようになって「レシピ通りに作っても美味しくできないのはある意味当たり前のことなんじゃないか」と思うようになりました。
何故かと言うと、「何もかもが違うから」です。
使っている調味料も違えば、使っている素材も違う、さらに使っている鍋の大きさも違う、そもそも味の好みが違う・・・こんな風に”なにもかも違う”のです。
醤油も辛めのものから甘目のものいろいろあります。
味噌だって全然味噌ごとに特徴が違います。
沖縄から北海道まで、どこの地方の醤油を使っているのか、味噌を使っているのか、大抵のレシピからは分かりません。
たまねぎ1個と書いてあっても、大きめの玉ねぎかもしれないし、小さめの玉ねぎかもしれない。
鍋の大きさが違えば、使う水の量や煮込み時間も変わってきます。
自分は甘さ控えめの味が好きなのに、そのレシピを公開している人は甘目が好きなのかもしれません。
何もかも違うから、上手くいかないで当たり前なんです。
”レシピの限界”です。
だから美味しい料理を作るためには、自分で作り上げなければいけないんです。
まさに、「本当の美味しさって、自分の舌を信じなければ作れないものじゃないかしら」この言葉の通りなんです。
思い切って自由に作ってみよう
「レシピ通りにやっているのに上手くいかない」「料理を心から楽しめていない」という人は是非思い切って自分のやりたいようにやってみてください。
「レシピには砂糖大さじ2と書いてあるけど、私は甘いの苦手だから大さじ1弱にしよう」そんな感じでいいんです。
もっと慣れてきたら大さじ使うのもやめてしまったりして・・・。
「美味しい料理を作りたい」という気持ちさえあれば、自由に、やりたいようにやっていいんです。
自分の好きなように作る料理はとっても楽しいですよ!
それでは~。