私のリュックと列車の悲しい思い出

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わらび君
わらび君
もるもる君は、電車の中が混雑していたらどこに立つ?
もるもる君
もるもる君
う~ん、もし奥に入れないのならドアらへんかなぁ・・・

これは、私が高校生だった頃のある日の悲しい思い出である・・・。

朝、通学のために列車に乗り込むと座席が空いてなかった。

いや、空いているのだが左右どちらにも人が座っていないという席が空いていなかった。

空席あるけど

という感じ。

当時私は、左右が開いていなければ席に座ろうとしなかった(逆に座ってこられるのはなんとも無かった)、かといって身長の低い私は吊革を持つのは大変なので、立つ場所といったら実質ドアの前しかなかった。

なので私は入ってきた側と反対側の方のドアへ歩いていき、ドアにもたれかかって本を読み始めた。

私が背負っていたリュックはただの布のようなとても柔らかいものだった。保育園の頃から使っていたので一度リュックの背負う部分の糸がほつれてしまい自分で補強し直してある。

それで耐久性は上がったものの、あんまり重いものをいれると底がやぶれてしまいそうなくらい心配気なリュックなので、荷物が少ない日にしか使っていなかった。

リュックにはキーホルダーもつけていた。ソフトクリームとクッキーのキーホルダーである。とても気に入っていた。

ドアにもたれかかって本を読むのに夢中になっていると、駅に着き自分がもたれかかっていた側のドアが開くらしいので、体を起こして人が乗ってこられるようにした。

ドアの外を覗くと、誰も乗ってこないようなのでそのままの位置で本を読み続けドアが閉まるのを待っていた。

数秒たちドアが閉まると、私は再びドアにもたれかかて本の続きを読み始めた。

あと数駅先の駅で私は降りる。ただそれだけの、ありきたりの一日が始まるはずだった!

実はこの時から悲劇は始まっていたのだ!!

本を読むのに夢中になっていると、あっという間に時間が過ぎていく。

ふと、顔をあげると私が降りなければいけない駅に電車が着いていて反対側のドアが開いていた。

このとき読んでいた本がなんだったかは忘れてしまったが、本当に面白い本だったので危うく乗り過ごすところだったと思い、本を持ったまま電車から降りようとすると・・・

体が起こせない!!

なんともたれかかったまま体が起こせないのである!!

まるで背中とドアの間に強力な接着剤がついているかのように全くビクともしないのである!

私はとっさに「これが金縛り!?」と思った。いや、けれども金縛りは寝ている時に起きるものであって、起きている時にはならないはず・・・とどうでもいい思考をめぐらしているうちに、プルルルルルル!とドアが閉まる警告音が鳴り出した!

やばい!降りないと遅刻する!!

でも降りたいけど私の背中とドアの間には何か強力な力が働いていてドアから離れられない!

わけがわからず悲しそうな表情になっていると、私の向かいの吊革に掴まっているスーツ姿の男の人が不思議そうな顔で私を見ていた。

その不思議そうな顔を見た瞬間私はハッ!と背筋が凍ったようにあることに気付いた。

その気付きが正しいか確かめるべく右手を自分の背中とドアの間に差し込んでみると・・・

リュック焦る

私のリュックがドアに挟まれていることが気付いた!

前の駅から今まで私はずっとリュックが挟まれたままだったのだ!

つまり、私は高速で走る電車と一体化していたのである。

電車 一体化

金縛りでも謎の強大なエネルギーのせいでもないと知った私は、

「なんだ!そうだったのか!」と納得し、それならばと勢いよくリュックを両手で掴みながら背中をドアから引きはがした。

その時ドアから完全に体が離れる瞬間、なんだか嫌な感触があったような気がした。

でも気のせいだろうと思って急いで電車から降りて遅刻しないように学校へ向かった。

教室で「朝から大変な目に遭った」と思ってリュックに手をやると、お気に入りのキーホルダーが二つともなくなっていることに気が付いた。

私はすぐに、あの時無理矢理ドアから体を引き起こしたのが原因だと気付いた、すぐにでも駅に確認しに行きたかったがあいにく朝のHRが始まる直前だったので、夕方帰りに確認することにした。

そして夕方学校が終わって駅に行ってサービスセンターのような所でキーホルダーの落し物がなかったか聞いてみた。でも無かった。

駅のホームで目を凝らしてみても私のキーホルダーは落ちていないっぽかった。

本当はもっと近づいて確認したかったが、なんだか危険な人と思われそうだったのでさり気なく確認することしかできなかった。

そうして、私はお気に入りのキーホルダーを自分の遅刻と引き換えに失くしたのだった。

もし、今の私がタイムスリップして同じ状況になったら遅刻してでもすぐに探したし、なんなら挟まれている側のドアが開くまで乗るのもありだったんじゃないかと思う。

でも、こっち側のドアが開くことはあったのかなぁ・・・?

とにかく私はショックだった。私の遅刻の身代わりにキーホルダーたちが犠牲になったかのような気がしてならなかった。

キーホルダー

その日から私はバッグ等にキーホルダーをぶら下げることを止めた。

キーホルダーをぶら下げている人を見ると「いいなぁ」とは思うものの、二度とあんな悲しい思いをしたくないと思うとぶら下げられなかった。

でも最近になって、ようやくキーホルダー下げてみてもいいかなぁという気持ちに少しづつ変わってきた。時のおかげなんだと思う。

でも絶対にドアの前に立つときは注意する。

みんなも、リュックを背負っていて(特にキーホルダーがついていたら)ドアにもたれかかる時は注意して欲しい。

もるもる君
もるもる君
これ・・・悲しい話なの?マヌケな人の話なの?
わらび君
わらび君
そして、こんな風になる人他にいるの?
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